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黒塗りの車

今日は、ふと会社員だったときのことを思い出したので、書いておく。

私は短大を出てすぐに政府金融に就職した。
4月に入社し、5月に入って、はじめて"おつかい"に行った。
省庁にA4封筒を一枚、届ける仕事。

このときから、すでに運転手付きの車だった。

ビルの地下に降りる。
黒塗りの車は、隅々まで完璧に磨き上げられている。
真っ白な手袋をした運転手が、車のルーフを羽で撫でている。
そして、私を見るやいなや、速攻で後ろドアを開けて、私を乗せてくれる。

地下鉄なら3駅ほどの距離。
皇居をかすめ、霞が関に入る。

省庁の門衛は、素通り。
乗っている車のナンバーが、登録車のナンバーと一致しているから。
一応、万一のために個人の通行許可証も作ってもらったけれど、
これは一度も使わなかった。
いつも車だったから。

初めて、この黒塗りの車で出かけた日。
私は、財務省の車寄せで降りた瞬間、運転手に尋ねた。

「お車は、どちらに駐車なさいますか」

帰りに、車を探す必要があると思ったからだが、
私の質問に対して、運転手は一瞬、動きを止め、
それから、笑顔で、ゆっくりと言った。

「ご心配なさらなくても大丈夫ですよ。
あなたが、玄関に出ていらっしゃったら、すぐに車をお回ししますから」

彼は、楽しそうに笑った。

????
事情が飲み込めないまま、私は財務省のなかに入り、担当者に封筒を渡す。
それから地下で、なんとなくお買い物。
玄関に出てきた。

春の日差しが眩しい。
赤い絨毯の財務省のなかは、陽が射さず、暗かったから。
いい天気だなあと思う。
そして、次の瞬間、目の前に、滑るように黒塗りの車が入ってきた。

ああ、これがプロの仕事なんだ、と、ただ感心した20歳の私。

その後もいつもおつかいは車だった。
一度も地下鉄に乗ったことはなかった。

いま振り返っても、不自然な入社一年目のOLだった。
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by shree | 2011-01-31 06:37
植村花菜の「トイレの神様」の歌詞をよんだ。
トイレをキレイにすると、美女になるという。

で、思い出した。

トイレをキレイにすると、お金が手に入るともいう。

わたしの実家のトイレは、他人が恐縮するほど美しい。
世界中の学会に参加し、
ホームパーティも頻繁な大学教授の叔父も感嘆する美しさ。

「いつ訪れても、キレイなトイレですねえ。
 ほんとうに、ショールームみたいですね、くつろげるし」と。

必ず活けられている生花。
壁には絵画。
ゆったりとした、意味不明なくらいの広さ。
窓から降り注ぐ、自然の柔らかな採光。
フォトスタンドが並ぶキャビネット上には、
父母が丹誠込めて育てる花々が咲き乱れた、実家の庭園の写真。
水跳ねひとつないラウンドフォルムのアンダーカウンター式手洗い。
清潔なタオル、カーペット。

生まれたときから、実家のトイレはつねに美しい。
現在、3軒目の家だが、
どの家のときも、新築から何年経ても、いつも新品のよう。

母が徹底的に掃除するから。
日に2度は、当然。
多いときは、3度でも4度でも。
家族の使用のたびに掃除する母。

いまごろ母は、絶世の美女か。
ありあまるほどのお金に囲まれて、溺れそうになっているのか。

たしかに、お金に困っているとは言いがたいが、
かといって、豊かで溺れているとも聞かない。

「トイレそうじ」の話しを聞くたび、いつも実家を思い、笑っちゃう(笑)
この課題について、こんど、母とよく話し合ってみたい!


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by shree | 2011-01-14 14:57 | 気づき